〒615-8262 京都府京都市西京区山田四ノ坪町1-6 電話相談 075-393-1550 田尻司法書士事務所へのお問い合わせはこちら

田尻司法書士事務所の業務日誌」

「らいとすたっふブログ」とは一味違う司法書士の毎日をお伝えします。

遺言に係わる判例の紹介(自筆証書遺言について)

カテゴリ: 遺言 2013/06/09

自筆証書遺言について裁判所の判断が示された事例を中心にご紹介します。 遺言が効力を生じるのは、遺言を書いた人が死亡した時であるため、効力発生後の書き直しは絶対に不可能です。そのため、遺言について、下記のような問題について裁判所で争われました。

公正証書遺言なら下記のような形式的な問題が生じることはまずありません。

自書であるかが問題となった事例

①他人の補助

Aは、遺言書の作成を思いついたが病気のため、手が震え満足に字が書けない状態でした。そこで、筆をもつ手を、妻Bが後方から支え、添えてをして遺言を書かせました。
このような場合でも、他人の意思が介入した形跡がない限り自書である、と認められました。

②ワープロ・パソコンでつくった遺言書は自筆証書遺言としては認められないと解されています。同様にビデオやテープに録画・録音しても法律的には効力がありません。

氏名の自書が問題となった事例

氏の記載されてない遺言    C川治郎兵衛は、相続人の争いを避けるため、遺言書を作成しました。 自筆証書遺言の作成しました。遺言書には、署名が「親治郎兵衛」書かれていました。「C川」という氏が、書かれていません。これは、有効な自書による遺言とされました。     署名は誰が遺言を書いたか特定できればよいので、氏又は名前の一方、旧姓、通称、ペンネーム、芸名、雅号などでもよいとされています。とはいっても、氏名をきちんと記載するに越したことはありません。

 

押印が問題となった事例
①押印が指印であった場合でも遺言は有効です

②押印を欠き、サインしかしていない場合については、日本に帰化したロシア人が英文で作成しサインだけして印を押していない遺言を有効とした判例がありますが、これは遺言者の特別な事情を考慮したものだとされています。 ③綴じられた二枚の遺言書に、契印がない事案

2枚にわたる遺言書に、2枚目に、日付・氏名・押印がなされていましたが、1枚目と2枚目に、契印がありませんでした。全体として一通の遺言書として作成されたものであると確認できるならば、有効な遺言書と認められました。 やはり、契印はしておいた方がいいと考えられます。

 

日付の記載が問題となった事例

①「吉日」との記載

遺言書に日付が「昭和四拾壱年七月吉日」と記載されていました。

これは、日付の記載を欠くものとして、無効な遺書言であるとされました。

②客観的に特定できる日付の記載

「70歳の誕生日」「定年退職の日」など客観的に特定できる日付は認められます。

③日付の誤記

自筆証書遺言に記載された日付が真実の作成日付と相違していても、誤記であること及び真実の作成日付が遺言書から容易に判明する場合は、遺言書は有効とされました。

ブログ記事に関するお問い合わせ・ご相談

電話相談 075-393-1550 田尻司法書士事務所までお気軽にご相談ください

ブログ内検索

  • 最新記事

  • 京都市の戸籍のコンピュータ化について(平成26年10月現在)
  • 「資本金」は、いくら用意しなければいけませんか?会社設立後につかうことはできますか?
  • 会社の印鑑を作らなければなりませんか?(類似商号調査をしてからに)
  • 設立する会社の本店所在場所に自宅を登記することは可能でしょうか?
  • 「株式会社A」「A株式会社」どちらが正しいのですか?(前株か後株かという問題)
  • アーカイブ

  • 2014年10月 (1)
  • 2013年10月 (1)
  • 2013年8月 (3)
  • 2013年7月 (2)
  • 2013年6月 (2)
  • 2013年5月 (12)
  • 2013年4月 (1)
  • 2013年3月 (1)
  • 2013年2月 (3)
  • 2012年9月 (2)
  • 2012年8月 (4)
  • 2012年7月 (1)
  • 2012年2月 (2)
  • 2011年8月 (2)
  • 2011年2月 (2)
  • 2010年8月 (1)
  • 2009年10月 (1)
  • カテゴリー

  • 会社設立 (5)
  • 日々の業務から (16)
  • 相続 (5)
  • 相続放棄 (4)
  • 相続(遺産分割) (3)
  • 遺言 (10)

  • 田尻司法書士事務所HPはこちら