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田尻司法書士事務所の業務日誌」

「らいとすたっふブログ」とは一味違う司法書士の毎日をお伝えします。

葬儀費用に亡くなった人の預金をつかってしまっても相続放棄できますか?

カテゴリ: 相続放棄 2013/05/01

相続放棄をする人は、亡くなった人の相続財産を処分してはいけません。
通常、銀行の預金は預金をしている人が亡くなると入出金をストップされます。しかし、葬式代を亡くなった人の預金から出すことを認めている金融機関も多くあります。  では、亡くなった人の預金で葬式代を支払った後、思いがけない多額の借金が発覚したりして、相続放棄をしたいと思った場合、相続放棄をすることはできるのでしょうか?

民法では「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」には、相続放棄ができなくなる(民法921条1項)とされています。

預金を使って葬儀を行った場合、「相続財産の処分」にあたるため、相続放棄ができないこととなりそうです。

下級審の判例では、「被相続人のお金を葬儀費や墓石の購入費用にあてたことは単純承認とはならない」としたものもあります(大阪高裁平成14年7月3日決定)

この判例からすると、亡くなった人の預金から身分相応な葬式をしても、相続放棄ができそうにも考えられます。

相続放棄をしましたが、生命保険金は受け取ることができますか?

カテゴリ: 相続放棄 2013/04/24

相続放棄をしても、相続人が受取人となっている生命保険の保険金は受け取ることができます。

判例で「生命保険は相続財産ではない」とされています。

実際に生命保険会社は、相続放棄と関係なく生命保険金を支払いをします。

生命保険金のことを考えて、相続放棄を迷うことはありません。

生命保険金は受け取り、他の相続財産・相続債務については相続放棄をすることは可能です。

※受取人が被相続人(亡くなられた方)となっている保険契約の場合は相続放棄をすると、相続人は受け取ることができません。

平成25年度税制改正大綱からお知らせ④オンラインによる登記申請の特別控除について

カテゴリ: 日々の業務から 2013/03/11

電子情報処理組織による登記の申請(オンライン申請)の場合の登録免許税額の特別控除制度が平成25年3月31日の到来をもって廃止となります。

田尻事務所では、オンライン申請ができるようになってから、積極的にオンラインでの登記申請を行ってきましたが、いわゆるオンライン申請減税が廃止されるため、登録免許税を抑えるという意味では、オンライン申請を積極的に利用するメリットは無くなることになります。

平成25年度税制改正大綱からお知らせ③相続税の改正項目について

カテゴリ: 日々の業務から 2013/02/27

(適用は国会で可決後、平成27年1月1日以後に開始する相続から)

【相続税の税率構造の改正について】

各取得分の相続税の税率のうち、2億円超の金額に対する税率が上がり、最高税率が55%になります。

現行

各取得分の金額3億円以下の場合、税率40%、控除額1,700万円

金額3億円超の場合、税率50%、控除額4,700万円

改正後

各取得分の金額2億円以下の場合、税率40%、控除額1,700万円

金額3億円以下の場合、税率45%、控除額2,700万円

金額6億円以下の場合、税率50%、控除額4,200万円

金額6億円超の場合、税率55%、控除額7,200万円

2億円以下は変更ありません。

平成25年度税制改正大綱からお知らせ②相続税の改正項目について

カテゴリ: 日々の業務から 2013/02/26

(適用は国会で可決後、平成27年1月1日以後に開始する相続から)

【基礎控除額の改正について】

現行    5,000万円 + 1,000万円 × 法定相続人の数

改正後   3,000万円 +  600万円 × 法定相続人の数

例えば相続人が1人の場合、現行では6,000万円の基礎控除がありましたが、改正後は3,600万円に減額されます。

したがって、改正により相続税を納めなければならない人が増えることになると考えられます。

平成25年度税制改正大綱からお知らせ①相続時精算課税制度の適用要件が見直されます

カテゴリ: 日々の業務から 2013/02/13

平成25年度税制改正大綱から順にお伝えします。

相続時精算課税制度の適用要件の見直されます。

(適用は国会で可決後、平成27年1月1日から)

①受贈者の範囲に20歳以上である孫(現行推定相続人のみ)を追加する

一代とばして贈与することが可能になります。

ただし、相続があった場合は相続財産に持ち戻し、相続税課税が行われます。従来の規定では、孫が遺贈をうける場合2割加算の対象となるのですがこの規定との兼ね合いについては現在不明です。

②贈与者の年齢要件を60歳以上(現行65歳以上)に引き下げる

贈与者の年齢要件を引き下げることにより早期の財産移転が可能となります。

こんな遺言はご存知ですか?(清算型の遺言について)

カテゴリ: 遺言 2012/09/19

「自分の死んだ後は、自宅を売って、最後にかかった医療費などの経費を支払い、残りをすべて慈善団体のために寄付したい」

遺産を処分する権限を有する遺言執行者を指定し、その人に委ねれば、実現できます。このような内容の遺言書は清算型の遺言といいます。

清算型の遺言でも、譲る相手、金額などを確定させておくことが必要です。慈善団体にもいろいろあるので、どこか、はっきりさせておかなくてはいけません。死後支払うべき経費には、借入金の残金、医療費、税金、葬儀費用などを加えることもあります。

遺言執行者は、未成年者と破産者はなることができないとされています。相続人でも良いですが、専門家に依頼した方が安心だろうと思います。遺言書の中で「Aを遺言執行者に指定する」と記載するのが一般的ですが、遺言執行者が指定されていない場合やなくなった場合は、利害関係人の請求によって、家庭裁判所が選任します。

民法では、遺言執行者には、遺言を執行するために必要な一切の行為をする権限があるとされており、不動産の所有権移転登記などの行為ができます。清算型の遺言では、遺言執行者が遺産を売却し、借入金などの返済や売買経費などを支払い、残りを分配します。

単に誰に何を譲るという内容に比べ、複雑になるかと思われますので、専門家に相談のうえ公正証書遺言で作成することがよいでしょう。

代襲相続に関して実際にあったお問い合わせから

カテゴリ: 相続 2012/09/05

まず、代襲相続とは、被相続人の子Aが相続開始時にすでに死亡している場合に、その死亡したAの子BがAに代わって相続する制度です。

お問い合わせのあったのは、「代襲相続人が、被代襲者の相続について放棄をした後に被相続人の遺産を相続することができるんでしょうか?」という内容でした。

祖父A、父B、子Cという家族関係で

1.Bが死亡

2.CがBの相続放棄

3.Aが死亡

この場合、CはBの権利義務の承継を放棄したので、Bに代わってAを代襲相続する権利も放棄したとも考えられそうで、お問い合わせのポイントはまさにその点にありました。

下級審ですが、この点について判断がされており、Cは,Bの相続放棄をしたとしても別の相続(Aの相続のこと)にあってはBを代襲して相続人となることができるので(山形地裁平成17年3月15日判決),Aの遺産を取得することができます。

参考までによく似た次の問題を考えてみましょう。

祖父A、父B、子Cという家族関係で

1.Aが死亡

2.Bが死亡(BはAの相続について承認・放棄をしていない)

3.CがBの相続放棄

Aが死亡してBが相続人となり,Bが相続の承認や相続放棄をしないまま死亡した。この場合CはAの相続(1次相続)とBの相続(2次相続)の二つの相続をすることになります。代襲相続とは状況が異なります。

Aが死亡し,Bが相続放棄をすることができる期間内に相続の承認・放棄をしないまま死亡し、その後、CがBの相続放棄をした場合,CはAの相続について承認・放棄をすることができなくなります。

遺言書に係わる紛争を防止するために④

カテゴリ: 遺言 2012/08/23

遺言書があっても、相続時に問題が生じる具体例の続きです。

③遺留分を侵害する遺言をした

まず、遺留分に反する遺言は可能でしょうか?

これは、可能です。

例えば、相続人に妻、子供がいる場合に妻に遺産全部を相続させる内容の遺言は、子供の遺留分を侵害しますが遺言全体が無効になるわけではありません。この場合、子供は、被相続人の妻に侵害された遺留分を減殺請求することができます。

次に、判例では、遺留分減殺請求権の行使により、贈与や遺贈は遺留分を侵害する限度で失効し、受贈者や受遺者が取得した権利はその限度で当然に遺留分減殺請求をした遺留分権利者に帰属することになるとされています。

妻だけに相続させるつもりだった遺産が、遺留分減殺請求された場合には子供との共有となってしまうこともあります。遺産の土地を、遺言者の妻は住み続けるつもりだったが、子供は売ってお金にしたいと考えていた場合などに問題が発生します。

このような場合、民法第1041条は受遺者や受贈者は減殺を受けるべき限度の価額を遺留分権利者に弁償することで、返還義務を免れる仕組みを設けています。

例の場合、遺言者の妻が、子供に遺留分減殺請求相当分を支払うことで、土地は妻のものとすることができます。

遺言書に係わる紛争を防止するために③

カテゴリ: 遺言 2012/08/22

遺言書があっても、相続時に問題が生じる具体例の続きです。

②遺言執行者が指定されていない

遺言執行者は、遺言の中で指定しておくことができます。また候補者がいないときは、利害関係人から家庭裁判所に請求して、遺言執行者を選任することができます。

遺言執行者は法律上、相続人の代理人とみなされます。遺言執行者ががなくても一部の手続を除き、相続人が遺言の内容を実現することが可能ですが、手続を円滑に進めるためには、遺言執行者を指定しておく方がよいでしょう。

民法第1013条は遺言執行者がある場合には、相続人は相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることはできないとしており、判例でも遺言執行者がある場合に相続人がした財産の処分行為を無効としたものがあります。

そもそも遺言書は相続人間の争いを避けるため、被相続人が作成することが多いはずです。遺言書に反した遺産の処分などを相続人にさせないためには遺言執行者を定めておくのが良いでしょう。

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