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遺言に係わる判例の紹介(自筆証書遺言について)

カテゴリ: 遺言 2013/06/09

自筆証書遺言について裁判所の判断が示された事例を中心にご紹介します。 遺言が効力を生じるのは、遺言を書いた人が死亡した時であるため、効力発生後の書き直しは絶対に不可能です。そのため、遺言について、下記のような問題について裁判所で争われました。

公正証書遺言なら下記のような形式的な問題が生じることはまずありません。

自書であるかが問題となった事例

①他人の補助

Aは、遺言書の作成を思いついたが病気のため、手が震え満足に字が書けない状態でした。そこで、筆をもつ手を、妻Bが後方から支え、添えてをして遺言を書かせました。
このような場合でも、他人の意思が介入した形跡がない限り自書である、と認められました。

②ワープロ・パソコンでつくった遺言書は自筆証書遺言としては認められないと解されています。同様にビデオやテープに録画・録音しても法律的には効力がありません。

氏名の自書が問題となった事例

氏の記載されてない遺言    C川治郎兵衛は、相続人の争いを避けるため、遺言書を作成しました。 自筆証書遺言の作成しました。遺言書には、署名が「親治郎兵衛」書かれていました。「C川」という氏が、書かれていません。これは、有効な自書による遺言とされました。     署名は誰が遺言を書いたか特定できればよいので、氏又は名前の一方、旧姓、通称、ペンネーム、芸名、雅号などでもよいとされています。とはいっても、氏名をきちんと記載するに越したことはありません。

 

押印が問題となった事例
①押印が指印であった場合でも遺言は有効です

②押印を欠き、サインしかしていない場合については、日本に帰化したロシア人が英文で作成しサインだけして印を押していない遺言を有効とした判例がありますが、これは遺言者の特別な事情を考慮したものだとされています。 ③綴じられた二枚の遺言書に、契印がない事案

2枚にわたる遺言書に、2枚目に、日付・氏名・押印がなされていましたが、1枚目と2枚目に、契印がありませんでした。全体として一通の遺言書として作成されたものであると確認できるならば、有効な遺言書と認められました。 やはり、契印はしておいた方がいいと考えられます。

 

日付の記載が問題となった事例

①「吉日」との記載

遺言書に日付が「昭和四拾壱年七月吉日」と記載されていました。

これは、日付の記載を欠くものとして、無効な遺書言であるとされました。

②客観的に特定できる日付の記載

「70歳の誕生日」「定年退職の日」など客観的に特定できる日付は認められます。

③日付の誤記

自筆証書遺言に記載された日付が真実の作成日付と相違していても、誤記であること及び真実の作成日付が遺言書から容易に判明する場合は、遺言書は有効とされました。

相続人のなかに行方不明者がいる場合の遺産分割について(遺言書が無い場合)

カテゴリ: 相続(遺産分割),遺言 2013/06/02

トラブルになりがちな事例としてあげていますが、遺言書があった方が良いこのケースについて、もう少し詳しく見てみましょう。

遺言書が無ければ次の様な手順を踏むことになります。

A)行方不明から7年経過している場合
行方不明になってから7年経過していれば、行方不明者の配偶者や兄弟姉妹が家庭裁判所に「失踪宣告」を申立て、行方不明者は死亡したものとみなしてもらうことも出来ます(子供がいない場合)。失踪宣告が認められると、行方不明者以外の相続人で遺産分割をすることになります。

B)行方不明から7年経過していない場合
行方不明から7年経過していないため失踪宣告がされていない場合は「不在者財産管理人」を選任する必要があります。選任された財産管理人は、行方不明者の代わりに遺産分割協議に出席し、そこで分割された財産を管理します。財産管理人は、行方不明者の配偶者や兄弟姉妹など遺産分割に関して利害関係を持つ人が、家庭裁判所に申立をして選任されます。

①不在者財産管理人の選任

不在者の財産管理人の申立がされると、家庭裁判所は不在者の状態を調べた上で、不在者財産管理人を選びます。財産管理人には、遺産分割に利害関係を持たない人が選ばれます。

②遺産分割協議

行方不明者の代わりに財産管理人が遺産分割協議に参加します。遺産分割協議を成立させることは処分行為にあたるため、家庭裁判所の許可が必要となります。行方不明者の取得分は法定相続分になることが一般的です。財産管理人は行方不明者の取得した財産を預かり、税金の支払などをした後、行方不明者本人が現れるまで管理することになります。

③財産の行方

不在者財産管理人が将来にわたって永久に財産管理をすることはできません。行方不明から7年を待って、財産管理人や行方不明者の配偶者または兄弟姉妹らが家庭裁判所に失踪宣告の申立をし、不在者財産管理人に管理されていた財産が相続できることとなります。

行方不明者がいる場合の遺言書の有効性

相続人の中に行方不明者がいる場合、これだけの大変な手続をすることになります。

自分が亡くなったときの相続人の中に行方不明者がいる場合、行方不明者以外の人に相続させる遺言書があれば不在者財産管理人を交えた遺産分割は不要です。

心当たりのある方はご一考下さい。

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